阪神園芸の甲子園・神整備

阪神園芸とは

造園業界では、阪神園芸は特殊な立ち位置にあるといえます。親会社は阪神電鉄。そして、あの甲子園のグランド整備を一手に引き受け、桜花賞などで超有名な阪神競馬場の整備も独占的に請け負っているのです。
阪神園芸は1968年の創業、本社は甲子園と同じく兵庫県西宮市にあります。阪神電気鉄道グループであることから経営面はまったく問題なく、甲子園のグランド整備は、完成度の高い丁寧な仕事ぶりで「神整備」と高く評価されています。

         

野球場のホームベース
阪神園芸は、フェイスタオルなどのオリジナルグッズも人気があります。以前は、甲子園の土も通販で販売していたのですが、あまりの人気に生産が追いつかなくなり、現在は球状関係者限定での販売となっています。

         

甲子園のグランド整備といえば阪神園芸

甲子園のグラウンド整備
雨の日も晴れの日も甲子園のグラウンド整備は大切

甲子園のグランド整備は、阪神園芸が独占的に請け負っています。甲子園はプレーがしやすいと選手の間でも評判になり、グランド整備の美的で緻密な仕事ぶりは、「神整備」と呼ばれるほどです。
甲子園のグランド整備は、阪神園芸の土作りから始まります。土は黒土と砂のブレンドなのですが、産地や配合割合は気温や湿度によって変更され、プロの技が要求される極めてデリケートな作業なのです。
甲子園のグランド整備はシーズンオフに集中して行い、阪神園芸の匠たちが一連の作業に携わります。天候の状態をみながら、1年に1回のペースでグランドの土を耕し、すべて手作業で約2ヵ月かけて最高の状態を作り出すのです。

         

書籍「阪神園芸の神整備」

金沢健児が書いた本「阪神園芸・甲子園の神整備」が、ちまたで大評判となっています。書籍は毎日新聞出版の発行で、本を読めばあの神整備の秘密が理解できるかもしれません。

「阪神園芸の神整備」を書いた金沢健児氏は、同社のグラウンドキーパーという役職についています。甲子園の土作りから始め、球場を整備にかける熱意が書籍で語られ、ドキュメンタリーとしてもビジネス書としても読み応えがあります。
金沢健児が書いた書籍「阪神園芸の神整備」は、球場関係者からも好意的に受け止められています。たとえば、元阪神タイガース赤星憲広氏は、阪神園芸は最大の戦友ですと述べるなど、神整備には厚い信頼が寄せられているのです。

 

阪神園芸で販売する土は甲子園の土?

阪神園芸は通販で、甲子園の土の販売業務も手がけています。
2010年に15lの袋入りで1袋2310円で発売されるや、甲子園に行けなくても本物の土が手に入るなどと大評判になったのです。
これは「甲子園で実際に採取した土」ということではなく、「甲子園のグラウンドに使われるものと同じ成分の土」ということです。
では、甲子園の土とは? これは甲子園の公式サイトのQ&Aに記載があります。

甲子園球場の黒土について教えてください。
・黒土の産地
岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山 などの土をブレンドしている。(毎年決まっているわけではない。)
・砂の産地の変遷
甲子園浜及び香櫨園浜社有地 ~ 瀬戸内海産の砂浜 ~ 中国福建省 ~ 京都府城陽
・黒土と砂の割合
春は雨が多いため砂を多めに、夏はボール(白球)を見易くするために黒土を多くブレンドしている。
・甲子園の土を初めて持ち帰った人
川上 哲治 (1937年、夏の23回大会)という説があります。

※甲子園公式サイトHP

甲子園のグラウンドを整備する阪神園芸ですから、甲子園に使用する土の「メーカーさん」でもあります。なので、こういったことも可能になるわけです。
甲子園の土には

①水はけがよい
②吸水性がよい
③土の厚みに弾力性がある
④イレギュラーが少ない

という特徴がありますが、そういった特性のある土へのニーズは、実は甲子園だけではありません。阪神園芸では、甲子園球場以外にも公営施設のグラウンド整備を行っており、2007年から日本高野連加盟校のグラウンド整備をも行っているのです。

一般の野球場
一般の野球場

「雨天時にはグラウンドの土が流出し、風が強い時には飛ばされるため、時間とともに土は痩せていく」ということは、どこのグランドでも同じ悩みで、そんなときの土の補充に「甲子園の土」が必要になるのです。
これが、「阪神園芸グラウンドキーパーの土」というもので、主に、高校などの野球グラウンド向けとして2010年8月から販売されています。
価格は、15リットル袋入りで1袋2500円程度になります。

野球場の土と硬式ボール
ところが、一般の人たちにも話題となり、阪神園芸の土の販売はあまりの人気で、たちまち入手困難となった経緯があります。
これでは本来の目的と外れるからと、土の販売は現在、球場関係者に限定され、しかも購入は10袋からとなり、レア度満点の商品と化しています。
ちなみに、甲子園の土は、フリマアプリ「メルカリ」などでも販売されています。小ロットで数百円〜数千円で販売されることがあります。

競馬でも活躍する阪神園芸

阪神競馬場

阪神園芸は、兵庫県宝塚市にある阪神競馬場の整備でも活躍しています。甲子園のグランド整備で培ったノウハウを生かし、最高のコンディションで競馬ができるよう「神整備」の技が発揮されます。
阪神競馬場は、桜花賞や宝塚記念など競馬のGIレースが行われる場所として有名です。中でも桜花賞は、オークス、秋華賞と並び、3歳牝馬による「三冠レース」にあげられる大レースであり、威信をかけて阪神園芸の神整備が絶対に必要になるのです。
阪神園芸は、阪神競馬場の芝張り替えでも活躍しています。また、ゴール板の花装飾も引き受けているなど競馬場のあちこちで、意外な場所で活躍している、ちょっと特殊な造園業者なのです。

阪神園芸のグッズ販売

阪神園芸は、甲子園のグランド整備の会社としてマニアからはすでに有名なブランド。
ということで、関連グッズの販売も好評を博しています。

阪神園芸のタオル

商品ラインナップの中では、フェイスタオルが一番人気で、1枚1000円で販売されています。
阪神園芸のフェイスタオルは基本的に「職人技」の文字が大きくデザインされ、持っているだけで、ちょっとしたステータスになりそうです。さらに、高校野球100回大会記念のタオルなど、プレミア物になりそうな限定グッズにも要注目です。
阪神園芸のフェイスタオルは、甲子園内のグッズショップ、阪神園芸のオフィシャルオンラインショップなどで販売しています。いずれにしても、タオルは数量限定なので、購入を考えている人は、見つけたら即購入がシンプルな鉄則です。

阪神園芸監修のコロコロ

阪神園芸は、2019年3月からコロコロクリーナーを監修し、1個1000円で販売しています。
コロコロクリーナーとは、ローラー式の粘着テープ型の掃除器具のことで、掃除を楽しくしてくれるグッズなのです。
阪神園芸監修のコロコロクリーナーは、甲子園のグランド整備で使うトンボをモチーフに開発された商品です。ホルダーには「職人技」の文字が大きくプリントされ、ちょっとしたインテリアにもおあつらえ向きです。
阪神園芸監修のコロコロクリーナーは、甲子園球場の物販担当者も大絶賛しています。イニング間のグランド整備といっしょに、コロコロでお部屋掃除ができると、ファンのハートわしづかみと人気急上昇中といいます。

阪神園芸に就職するには

甲子園の高校野球
甲子園の高校野球

阪神園芸は超人気企業であり、就職するには入社試験で激しい競争を勝ち抜くしかありません。
アットホームな社風、安定した顧客基盤などが評判で、就職希望者が多いので、例年かなりの狭き門となっています。
阪神園芸に就職するには、まず入社試験をクリアする必要があります。大学の園芸科出身なら多少有利になるかもしれませんが、球児は甲子園の出場経験がアピールポイントになりえます。
阪神園芸にはスポーツ施設本部があり、スポーツ施設部・甲子園施設部の2つの部署に分かれます。就職後に甲子園のグランド整備に携われるとは限りませんが、超難関を突破して就職できただけでも、神整備の神髄を体感することはできるでしょう。

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